労働時間とは？

滋賀県近江八幡市JR安土駅前で社会保険労務士をしている小辰です。

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今回は労働時間について解説いたします。

労働時間＝働いている時間という認識が一般的です。

もちろんこの考えは正しいのですが、日々仕事をする中で「この時間は労働時間にあたるのか？」といった疑問を持たれたこともあるのではないでしょうか？

使用者の方も労働者の方も是非お読みください！

労働時間に関する条文

労働時間について労働基準法にはこの様に定められています。

1日8時間労働や1週間の労働時間は40時間など聞いたことがある方も多いかと思いますが、この条文が根拠となっております。

労働時間についての最高裁の判決

労働基準法32条の労働時間について三菱重工業長崎造船所事件の最高裁判決は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」としています。

指揮命令下と言われると難しく聞こえますが、会社が業務命令をしているかどうか？といったイメージです。

更に「労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することが出来るか否かより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」とし、最高裁にて”労働時間”とは何かを示しました。

使用者の指揮命令下に置かれている時間は労働契約や就業規則の定めで決まるものではなく、それぞれの事案に応じて個別的・具体的に検討する必要があると言われています。

例えば「就業前の着替えの時間は労働時間にあたらない」というように就業規則に定めていても、上記の最高裁の判決の要件を満たすのであればそれは労働時間となり、労働者の方は賃金の請求を出来ることになります。

労働時間に該当するかの事例

労働時間の概念については説明いたしました。

少しイメージして頂けたと思います。

では具体的な事例を交えてこれらは労働時間に該当するのか？といった部分を見て頂けたらと思います。

始業前の朝礼は労働時間となるか？

朝礼は朝の始業時刻前に５分程度の時間で業務の連絡事項などを伝達するといった事が行われます。

朝礼は多くの会社で一般的に行われているかと思いますが、労働時間としては扱っていないケースが大半であるというのが実態です。

では朝礼の時間は労働時間に該当するでしょうか？

また更衣や清掃、引継ぎなどの時間も労働時間に該当するのでしょうか？

これらの時間が労働時間に該当するかの判断基準としては・・・

• 作業等に不可欠な時間か？
• 使用者の直接的支配下にある時間で就労義務があるか？

といった点が判断基準となります。

参加義務があるか？というのが判断のポイントです。

ですので会社の方で朝礼に参加することを義務付けているのであればそれは労働時間に該当すると判断されるケースがあります。

そうなればたった５分の時間であっても労働者に賃金を支払わなければならなくなります。

わずかといえども法律違反となってしまわないように注意したいですね。

手待ち時間は労働時間となるか？

休憩時間と労働時間の境界がよく問題になる事例として「手待ち時間」があります。

手待ち時間というのは作業と作業の間の時間で、必要が生じれば直ちに労務を提供する義務を負う時間をいいます。

例えば美容院でお客様がおらず、作業をしていない時間は労働時間に該当するのか？といったケースです。

この様な場合は、お客様が来た場合には直ちに対応する必要がある状態に置かれているため、労働時間に該当します。

それ以外の手待ち時間の例として休憩時間の電話番なども労働時間に該当します。

会社の飲み会は労働時間に該当するか？

一般的に会社内での飲み会は業務との関連性が低く、労働時間には該当しません。

取引先との会食も労働時間には該当しないと言われています。

ただし会社が接待ないし参加の指示をする以上は一定の手当等を支払う事が望ましいと言われています。

おわりに

今回は労働時間について解説いたしました。

非常に身近な話題かと思います。

労働時間に該当するしないの判断は難しいケースが多いです。

本来労働時間とすべき時間を労働時間とせずにトラブルとなってしまうケースを見受けられます。

こういった事を避けるためにも判断が難しい場合は専門家への相談をおすすめいたします。

こたつ社会保険労務士事務所では顧問をご検討の方に向けて初回無料相談を実施しております。

最後までお読みいただきありがとうございました。