厚生労働省のモデル就業規則とは?使用時の注意点を解説

滋賀県近江八幡市JR安土駅前で社会保険労務士をしている小辰です。

ご相談・ご依頼は日本全国対応可能です。ぜひ、お気軽にご連絡ください)

就業規則の作成を検討されたことがある会社では、以下の様に思われたことがある会社も多いのではないでしょうか?

「従業員が増えてきたし、就業規則を作ろう」

「でも、どうやって作ればいいんだろう?社労士に頼むと高いし・・・」

「ん?ネットで検索したらひな形が出てきた!これを使っておこう」

実際にネットで「就業規則 厚生労働省」と検索してみてください。

日本の行政機関の1つである厚生労働省が作成した就業規則なので、良品である雰囲気はあります。

実際、こちらの就業規則を活用することは何の問題もありません。

ただし、社会保険労務士の立場から言わせてもらうとこれらを安易に使用するのはおススメしません。

理由を解説いたします。

そもそも就業規則とは?

就業規則についてご存じない方も多いかと思いますので、簡単に解説いたします。

就業規則というのは一言でいうと会社の労働条件について書かれたルールブックと言えます。

何が書かれているかというと

①労働時間に関すること②賃金に関すること③退職に関することなどです。

※あくまで一例です

就業規則は従業員が常時10人以上いる事業場に作成、労基署への届出義務があります。

10人以上と言いましたが、従業員が10人未満の場合であっても作成することをおすすめします。

就業規則があることで、会社に規律が生まれ労使双方に信頼関係が生まれる。

そういった効果が就業規則にはあると私自身は考えています。

就業規則を作成するには?

現状は会社に就業規則がなく、新たに作成しようとなった場合どのような方法があるでしょうか?

主にこの2つかと思います。

  • 専門家である社会保険労務士に作成してもらう
  • 厚生労働省の就業規則をダウンロードし使用する

冒頭でお話しした様に厚生労働省の就業規則をネットでダウンロードし使用すること自体は問題ありません。

社労士に就業規則の作成を依頼した場合は相場的に10万~30万近くの費用が掛かります。

対して厚生労働省の就業規則をダウンロードした場合は無料です

費用的には厚生労働省の就業規則を使用した方がメリットは大きいのです

じゃあ厚生労働省の就業規則を使用することがベストなのかというと、そうではありません

この辺りを解説していきます。

厚生労働省の就業規則ってどうなの?

試しにネットで「就業規則 厚生労働省」と検索してみます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

この様に立派な就業規則が出てきました。

先ほども申しましたがこちらを活用しても何の問題もありません

無料で活用できるため費用面でのメリットはとても大きいです

ただし、私から言わせると無料で作成できるという部分以外にメリットはありません

厚生労働省の就業規則を使用する際のデメリット

ではなぜ厚生労働省の就業規則をおススメしないのかを解説していきます

おススメしない理由は大きく2つあります

順番に解説していきます

会社の実態に見合っていない

現在の日本には企業数が約360万社あると言われています

企業によって、業種、従業員数、働き方、社長の考え等は異なります。

さらに細かいことを言えば、賞与や退職金はあるのか?給与の支払日はいつなのか?休日はいつなのか?

有給は半日や時間単位での取得が可能なのか?結婚、出産に伴う特別休暇制度はあるか?

フレックスタイム制を認めるのか?夜勤はあるのか?表彰制度はあるのか?

などあくまで一例ですが、これらが全て同じ会社は存在しないと思います

つまり会社によって、ルールは大きく違います。

それにも関わらず、ネットで拾ってきた就業規則をそのまま活用して本当に作りたいものが作れるでしょうか?

会社の実態に合った就業規則を作成しないと、せっかく作成したとしても意味のないものだと言えます

もちろん厚生労働省の就業規則をダウンロードしてアレンジすることも可能ですが、

余程の正しい知識が無い限りはそういったことはお勧めしません

法的な知識が身につかない

ではデメリットの2点目です

突然ですが、読んでくださっている皆さんに質問です

就業規則を読んで内容をきちんと理解することができるでしょうか?

専門用語も多く、法律の独特な言い回しも多いため読んでも意味がわからないという声もよく聞きます

つまりとりあえず就業規則をダウンロードした所で法的な知識が無ければ、就業規則を活かせていないという事になります

例えば就業規則の作成を社労士に依頼した場合は、打ち合わせ時間を取り何度もコミュニケーションを取ります

完成後は就業規則の条文を一つ一つ丁寧に解説し、理解を深めてもらいます

※こういった事をしない社労士さんもおられます

このように社労士と企業が共に作成を進めていく中で、企業側も自然と法的な知識が身についていきます

また場合によっては従業員の方にも参加してもらい、お互いに理解を進めていきます

この様に企業と従業員がお互いに知識をつけていく事で、会社内のトラブル防止に繋がるのではないかと考えています

厚生労働省のものをダウンロードし、内容に対して理解できていない状態で従業員の方から就業規則について質問されてしまっても答えられない・・・

この様な状態では企業と従業員の間に信頼関係を築くことが出来ないですよね

こういった意味でも社労士と共に就業規則を作成する意義は大きいと思っています

まとめ

今回は厚生労働省の就業規則を使うことについて書きました

私自身としては就業規則について正しい知識が無いが故に損をしてしまっているという企業はとても多いのではないかと感じています

そういった企業のお手伝いをさせて頂きたいと思っております

弊所が行う「就業規則の作成・変更」について、詳しくはこちらのページをご確認ください

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最後までお読みいただきありがとうございました。