滋賀県近江八幡市JR安土駅前で社会保険労務士をしている小辰です。
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有給休暇は原則として年一回、対象の労働者の方に付与されます。
与えられた有給休暇を使い切る人、使い切らない人様々かと思います。使い切らない人の方が圧倒的に多いのではないかと思います。
皆さんに与えられた有給休暇はいつまで使うことが出来るのかご存じでしょうか?
今回は有給休暇がいつまで使うことが出来るのかを解説していきます。
以前有給休暇に関しての記事を書きました。
併せてご確認ください。
有給休暇の繰り越しとは?
付与された有給休暇の内、未消化の有給休暇について繰り越しが認められております。
ですので例えば「ウチの会社は有給休暇の繰り越しは認めない」といったようなルールを作ったとしても、それは有効ではないという事になります。
有給休暇の時効とは?付与日から2年以内なら繰り越し可能
結論から申しますと年次有給休暇の消滅時効は2年間となります。
根拠となる法律は時効について定められている労働基準法115条です。
ちなみに消滅時効というのは、一定期間行使されない権利を消滅させる制度と思ってください。
与えられた有給休暇は2年間で消滅してしまうという事ですね。
有給休暇の時効の起算日については年次有給休暇を取得可能となった時点からです。
ですので例えば4月1日に入社して半年後の10月1日に10日間の有給休暇が付与された場合ですと、2年後の10月1日に時効により有給休暇は消滅してしまいます。
企業側も有給休暇の管理という意味では、この点は抑えておいて欲しいです。
意外と管理が難しいのではないかと個人的には感じております。
2年間の内に使い切ることが出来れば良いですが、実際は使い切ることは難しそうですね。
有給休暇の最大保有日数は?
有給休暇は最大で何日間保有することができるのでしょうか?
有給休暇は勤続年数に応じて付与される日数が増えていきます。
勤続6年半を経過すると毎年20日間の有給休暇が付与されます。
ですので20日間の有給休暇を付与されて、1日も使わずに1年後に20日間の有給休暇が付与された場合は最大で40日間の有給休暇を保有することができます。
有給休暇の買取は可能なのか?
先ほど述べたように有給休暇は2年間で消滅してしまいます。
勿体ないと感じる方もいれば、仕方ないなと感じる方もおられるのではないでしょうか?
有給休暇に関して相談を受けた事例として「有給の買取は可能なのか?」と聞かれたことが何度かあります。
有給休暇を使わなかった分、その分の賃金を貰おうということですね。
結論から申し上げますと、有給休暇の買取は原則として出来ません。
買い取ってしまうと有給休暇を与えた事になりませんから違法となります。
有給休暇は労働者の権利でありますので、企業側が買い取るという事は原則として出来ないんですね。
ただし次の場合は違法とはなりません。
・時効により消滅した有給休暇を買い上げること。
・法定日数を上回る分の年次有給休暇を買い上げること。
・退職時に残存している年次有給休暇を買い上げること。
これらの場合は買取をしても違法とはなりません。
1つづつ解説していきます。
時効により消滅した有給休暇を買い上げること
先ほど述べてたように付与された有給休暇は2年間で時効により消滅します。
その消滅した分に関しては有給休暇を買い上げることを認めております。
失効してしまった有給に関しては、企業側が買い取ったとしても労働者側には損失は無いという考え方です。
法定日数を上回る分の年次有給休暇を買い上げること
年次有給休暇は入社から6ケ月間継続勤務し8割以上の出勤した労働者に10日間の有給休暇が付与されます。
この10日間というのは、労働基準法で定められた数字です。
つまりこの法律以上の有給を会社が与えている時は、その分の有給休暇に関しては企業は買取をすることが出来るという事ですね。
ちなみに勤続年数に応じて有給休暇の付与日数は異なります。
勤続勤務年数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
有給付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
これらの数字以上の有給休暇が付与されて入れば有給休暇を買い取ることは可能という事になります。
退職時に残存している年次有給休暇を買い上げること
さて最後は退職時に残っている有給を買取できるという事ですね。
1番イメージしやすいのではないでしょうか?
例えば6月30日で会社を退職するとなった際に、その時に残っている有給休暇が5日分あるとしたら、その分を買い取って良いよということです。
退職したら有給休暇を使うことは不可能ですので、この場合は認めてあげようという事ですね。
有給休暇の買取は企業の義務ではない
有給休暇の買取が違法とされないケースを3つご紹介しました。
では企業はこれらの場合に有給休暇の買取をすることが義務付けされているのか?というとそういうわけではありません。
例外的に可能な場合ということですので、買い取るかどうかは企業の自由です。
買い取らなくても何ら問題はありません。
この点は特に労働者の方は気を付けて欲しいですね。
おわりに
今回は有給休暇の繰り越し及び有給休暇の買取についての記事を書きました。
繰り越しや買取に関して知らない部分も多かったのではないでしょうか?
どちらも普段はあまり意識しない部分ではないかと思います。
弊所では有給休暇の運用など専門家である社会保険労務士にご相談頂くことが可能です。
自社の労務に関して不安な方や社労士を顧問として検討されておられる方は無料相談の方にお申し込みください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。